想うのはあなたひとり―彼岸花―



間に割って入ったのは皐だった。
なによ、その発言。
午後の授業、ほとんど寝ていたじゃない。
ちゃんと起きてるのは休み時間だけ。
あなたの体内時計壊れてるんじゃない?



「よし、帰ろ!あたしもお腹減ったし!」



「こんな時間に食ったら太るぞ。あ、元々でした?」




「うるさいな!!」




私の前を歩く小絵と弘樹。
そして私の隣を歩く皐。
私たちの距離は1メートル未満。
鞄をぎゅっと握り、廊下を歩いていく。
いつもの皐ならきっと話しかけてくるのに、話しかけて来なかった。
ちらっと皐を見ると皐はずっと空を見上げていた。
奈月さんとのコミュニケーション?
そう思ったら何も言わないでおこうと思った。
廊下に響く足音が切なさを与える。



今魔法が使えたのなら、私は何に使うだろうか。





皐の心をこっそり覗くだろうか。