想うのはあなたひとり―彼岸花―



まさか保科さんからそんな言葉が飛び出すなんて想像もしていなかった。
再び言葉を失う私たち。



皐も保科さんの言葉に頷き、私もつられて頷いた。




「そう!それです」




「覚えているよ。僕が警察官になって初めての事件だったからね。」




その言葉を聞いて私は思ったのだ。
椿の事件に初めて保科さんに会ったとき、まだ新人だと思っていたのだが一年は経っていたのか。
未経験者だと勝手に思ってしまった私をお許しください。

奈月さんが殺害された事件に関与していたということは皐に会ったことあるのでは?
だからさっき肩を掴んで名前を聞いたのかな?
一年くらいじゃそんな顔も変わらないだろうし。
たぶんそういうことだよね。


また勝手に話を進めてしまう私。



すると保科さんが「ちょっと待ってて。部長に聞いてくる」と言って私たちをフロントに残した。



水色の長椅子に肩を並べて座って待つ。