想うのはあなたひとり―彼岸花―



子供だからダメなのですか?
大人にしか教えられないのですか?

私たちは子供ですか。




保科さんが突然皐の肩を掴むものだから、私と皐は何が起こったのか把握できなかった。
なぜ皐にそんなことを聞いたのか理解できない。




「…美波…皐ですけど?」



「みなみさつき…、そっか。ありがとう。何でもないんだ。名前似合ってるね」




保科さんはいつもと変わらない笑顔でこう言った。
違和感を覚えたのはこのときが初めてだった。
でもここで質問をしても上手く交わされるだろう。
だって警察官だから。
駆け引きには慣れているはず。


「今日はちょっとあるものを取りに来たんです」




「あるもの?」




「一年くらい前なんですけど…駅の地下のロッカーにあった手紙なんです」




「もしかして…7番ロッカーに入ってた手紙?」