想うのはあなたひとり―彼岸花―



こんな笑顔するんだ。
眩しくて、輝いていて。
屈託などなくて、澄んでいて。
思わず見とれてしまう私がいた。


鼓動が激しく揺れる、揺れる。

すいません運転手さん。
もう少し安全運転で。


違う違う。
これは運転手さんのせいじゃないわ。
皐がいきなりそんな笑顔見せるからでしょ。




「俺さ、妃菜子に話して良かった。もし妃菜子に言ってなかったらここにいなかっただろうし、奈月の気持ちを知らないままだった。」




「何か、不気味。あんたがそんなこと言うなんて」




「俺だってちゃんとお礼するよ?本当にありがとう。ここまで連れてきてくれて」




なによ、その永遠の別れみたいな言葉。
改めて言われると恥ずかしいじゃん。



すいません運転手さん。
冷房つけてもらえますか?




体が火照っているのです。
私の要望は聞いてくれませんか?