想うのはあなたひとり―彼岸花―



「だからきっと、この駅だ!!」




そう言って勢いよく走り出す皐。
いきなりのことだったので体はついていっても心がついていけなかった。



ちょっと!待ってよ!!




私の考える時間は無し?
そんなのクイズ番組でもありえない展開だ。



皐は場所を知っているのか?
ただ夢中に走っているだけなのか?

地下に繋がる階段を掛け下りていく。
心なしかあの写真とここの地下道が似ていた。



「あ、あそこにコインロッカーってある!」



皐が指差す方向には矢印でコインロッカーと示されている看板があった。
その表示に従い進む私たち。




「ちょっと、止まらないでよ」



すると皐は走るのをやめた。
いきなり走ったと思ったら今度は止まるとか。
おかげでぶつかったじゃない。



「…あった…」




目の前にあったのは、あの写真と同じロッカーだった。