想うのはあなたひとり―彼岸花―




その道は線を乗り換えるときに通る道だった。
ということはロッカーの場所は駅のこの道ということ。
でもS町には3つ駅がある。
その中で乗り換えがある駅は学校の近くの駅か隣の駅の2つだ。
さぁどっちだろう?
私は線を乗り換えないため地下を利用しないから分からない。きっと同じマンションに住む皐も乗り換えなどしないから分かるはずがない。





「他に何かないの?思い出しなさいよ」




「う~ん…ちょっと待って」




眉間に皺を寄せて考え込む皐。しばらくその状態だった。
その表情はそうしているだけのただのフリ?
痺れを切らす。
すると皐が何かを思い出した。



「確か…奈月、天城高校に行きたいって一回だけ言ったんだ。ここの制服を着たいって言ってた。だから俺、天城高校を目指したんだ…」





その話を聞いて私は言葉を失ってしまう。
私と同じ理由だったから…。