想うのはあなたひとり―彼岸花―



私たちは屋上をあとにし、手を繋ぎながらNO7ロッカーを探すことにした。
手掛かりはS町のみ。
もっと分かりやすい手掛かりがあればいいのに。
S町は思ったより広いのだ。




「ねぇ、もっと詳しく分からないの?」




とりあえず駅の方向へと進んでみる私たち。
でもどこのロッカーか分かるはずがない。
手当たり次第、駅員などに聞くしかないのか。
途方に暮れていると、皐が突然大きな声を出した。



「あ!そういえば…。」




そう言って立ち止まり、鞄の中から黒い革ケースを取り出した。
露になるワインレッドのデジカメ。
これは…まさか。




「奈月が俺に渡したデジカメ。あの日からずっと持っててさ。そういえば一枚だけ変な写真があったんだ」




再生ボタンを押して、その例の写真とやらを探す皐。
私はそんな皐の横顔をずっと見ていた。


椿と似てるけどどことなく違うかも…。
やはり別人ようね。





「これこれ。」




皐が見せてきたのは地下道が写った写真だった。