春の心地よい風が私たちの間を吹き抜けていく。
このまま私たちを連れて行ってくれないかな。
NO7ロッカーへ。
こう言った私を固まった表情をして見つめる皐。
しばらく黙ったままだった。
何かを考えているのか。
でもその表情からは悲しみなどなかった。
「…その花言葉…本当?」
疑ってるの?本当よ。
だって椿が教えてくれたのだもの。
「本当だよ。私は嘘つかないから」
「まじ…かよ。なんで…もっと早く…」
唇を噛み締めながら上を向く皐。
髪の毛の隙間から覗くピアスが小さく光った。
「なんで早く言ってくんなかったんだよ。そしたら…俺は奈月を守れたかもしれねぇのに…俺にもっと勇気があったら…」
大空に向かって言う皐の言葉に返事はなかった。
勇気は誰にでも存在する。
でもその勇気を使うのはとても難しいのだ。
「…恋愛ってそんな簡単じゃないんだよ。気持ちを伝えるのに沢山時間を使うものなの。皐は何も悪くない。だって伝えようとしたんだもん。クリスマスイブの日に。そうでしょ?」


