皐の涙を見たら、こっちまで泣けてくる。
まるで椿の泣き顔を見てるようで胸が締め付けられた。
皐の腕を掴み立ち上がらせる。意外と皐は華奢だった。
私が引っ張ると簡単に立ち上がったから。
「行こ、皐。S町NO7番ロッカーを探しに」
「え…なんで?言ったじゃん、俺は奈月を……」
「皐はずるいよ。自分のことばっかり主張して奈月さんの気持ちは無視?奈月さんは皐に探して欲しいからロッカーの鍵をわざとデジカメケースに入れたんじゃないの?そんなの…可哀想だよ。それに…」
「…それに?」
奈月さん、言っちゃうね。
私もね、彼岸花好きなの。
でも何故彼岸花はあんなにもひっそりと咲いているのかな。
一人ぼっちは寂しいのに。
まるで、私たちみたいね。
「彼岸花の花言葉知ってる?」
「…妃菜子?」
皐の表情が固まった。
でもこれを聞いたらどうかしら?
あなたの表情は和らぐかな。
「想うのはあなた一人です」


