『交換しよう』


彼女は何を云われたのか解らない表情を見せた。


そんな彼女をお構いなしに僕はデザートの皿をすっと入れ替えた。


『今の君には甘過ぎるんだ』


彼女の前には溶けたアイスの替わりに、僕が頼んだビターチョコのシフォンケーキが置かれた。


苦味の効いたケーキには、ほんのり甘いだけのホイップクリームが添えられている。


『いいから、食べてごらん』