その日は、まるで嵐の前の静けさのように、風一つ吹かない、静かな日だった。


いつものようにマリーは自らの分担である家事を終えると、お師匠様に言われた修行をしていた。

床にあぐらをかき、深い呼吸を繰り返す。


大地の力を借りて行う占いに最も必要なのは、自分でない力を受け入れるために我を小さくすること。
つまり、精神力だ。


「なにごとも、普通でないことを行うには精神力が必要なんだよ」


いつもそう語るお師匠様も、町では軽い先見だけのためそれほどではないが、本気で先見をしようと思えば、ひどく疲れるといっていた。



だから、まだかけだしの自分に必要なのは、精神力をつけることだと。
マリーも理解していた。