【漣】 「漣太郎が来たーっ!」 「うわあああ! 逃げろーっ」 ギャーギャーさわぎながら、桜吹雪の中を子供たちが走っていく。 ふっくくく、逃がさねえ。 「オラ待て、逃げんな」 「ぎゃー!」 あっという間に追いついた俺が襟首をつかむと、つかまえた二人のガキんちょは仲良く断末魔のさけびを上げる。 「さーて、オレとあっそぼうぜ~」 ぷるぷる震えながら恐怖に泣きさけぶ彼らに満面の笑みを見せて、俺はいつものように手にした木刀を振り上げた。