刀丸がきょとん、と首をかしげ、

俺はポカンと口を開け、

門下生たちからはほっとしたようなため息がもれた。


そんな中、親父殿は大股でわしわしと刀丸に歩み寄ると、

「よし! 決めたぞ!」

刀を虹庵に返した刀丸の肩にがっしと両手を置いた。


「刀丸、お前今日から、儂の子になれ!」





──え?





一瞬の沈黙の後、


「ええええええええ──!?」


その場にいた者たちの驚愕の声が道場を揺るがした。


そんな中、親父殿は豪胆に笑い、

「このガキはまさしく天童だ」

と、門下生たちの前で言い放ったのだった。



どうやら事態は、俺の予想をはるかに凌駕(りょうが)した方向に急転したらしい……。

まあ、この後さらに俺には予想を裏切る衝撃の展開が待っているのだが。