タクシーを捕まえ、雷さんの会社まで向かった。



外で待っててくれたのは前にケータイをうちに届けてくるた秘書さん。



「ご迷惑を…」

「いえ、もう帰りますのでついでにコレを社長が。IDがなければ社長室のロックがはずれませんので」

「ありがとうございます」

「気をつけてくださいね、夜は…出ますから」

「なにが!?」

「ふふっ…では失礼いたします」



なにが出るの!?



笑いながら帰った秘書さん。



渡されたIDカードを持って中に入った。



社長室まで向かうエレベーター。



いつも来ていた時間とは違って静かな社内…。



押してもいないのに、途中でエレベーターが止まった。



で、出るって…おばけ!?



「やっ…」



スーッと開いたドアに目をつぶってしゃがみ込んだ。



なにもいませんようにっ!!



「ぬぁっ!!えっ…奥様?」

「へっ…?」

「ビビった~…。見ちゃいけないもの見たかと思った…」



笹原さん…?