【先生目線】
太陽の位置から想像すると、今は午後2時頃。
午後2時の日差しは
俺と直の背中をこんがりと焼く。
水着に着替えた直の背中に塗った日焼け止めは
もう役に立たないだろう。
砂浜にただ寝転んでいるだけなのに
心も体もどんどん癒されて、透明になってゆくようだった。
愛する人との旅は
俺にとって忘れられないものになる。
午前中には雲ひとつなかった空に小さな雲が顔を現す。
遠慮がちに空の端っこに顔を出した雲は
少しずつ太陽に向かって近付いてゆく。
それは
まるで
最初に直に恋をした時の俺のようだった。