「良くないよね…」



呟いた私


本当は西原を抱き締めたかった




「うん…良くない」


答えた西原


触れていた腕が解けた




さっきまでとは違う空気が漂い

沈黙が流れる




私と西原は向き合った







私ね、

矢田くんとは

あんなふうに向き合えなかったよ



いつも不安で

向き合うことを避けてた



けれど

西原とは向き合えたんだ



重たい空気も

沈黙も


二人を繋ぐ糸だった