復讐メッセージを送信しました。〜ナナツノノロイ〜

ぞうきんでドアノブをつかむ。破裂しそうなほど鳴っている心臓をもう片方の手でおさえ、ドアを開けた。

――そこには和式の便器だけがあった。

通学カバンもマリの死体も消えている……。


奈々子はドアノブを握りしめたまま、呆然としていたが事の重大さに気づき、ぞうきんを落として、走り出た。

「終わったの?」手鏡を持った愛華がきいてくる。

「マ、マリちゃんがき、きえてる」

なに言ってんの、という顔でみんなが見てきた。

「マリちゃんの死体がなくなってるのよ! みんな自分の目で確かめて!」

奈々子の迫力に圧倒されたらしく、みんなトイレの中へ入った。

少しして、「うそ!?」という悲鳴のような声がきこえる。

青い顔をした愛華がトイレから出てきた。

「ど、どういうことなのよ。なんでなくなってるの……」

あとから出てきた亜美たちも、信じられないという顔をしている。