こっちむいて伏見!



アタシはあれっきり、
あのことは一言も彼が口に出さずにいてここまできたから。


まさか
忘れてるとまでは思っていなかったけれど…。


ああ、そうか。


彼にとっては忘れたいこととして、
早く消してしまいたいこととして、
こころの中にあったんだ。


だから
一言もその話をしなかったってわけ…。


途端にやりきれない気持ちになった。



アタシの気持ち知ってるくせによくそんなこと言えたもんだ。

デリカシーの欠片もない。


結局、
アタシの事、
これっぽっちも考えてないってことなんだ。