過去の己と同じように、いつしか彼らの中に溶け込んでいく矢央が羨ましくなり、次第に芽生えた嫉妬。
あの場所にいるはずだったのは、自分だったのに……。
「惣司郎君を守れたことは後悔していない。 でもっ……」
あの時、浪人にやられそうになった時、もしも別の方法をとっていたなら運命は変わっていたのかもしれない。
今こうして、どうにか運命を変えようと奮闘するように、あの時も……。
誰も死なずに済む方法が、どこかにあったかもしれない。
「あの日、私が死なずにいれば、惣司郎君は自身を攻めず。 私は、今もみんなといられた…」
そのように思うようになったのは、矢央の存在が大きく関わっている。
矢央の存在と、残された者の念がお華を此処まで追い詰めてしまったのだ。
寂しくて、寂しくて。
もしも矢央と立場を変えられるなら、どんなに幸せだろうかと。
「だからお前は、俺たちと矢央の関係を悪くさせるようなことばかり言ったのか」
永倉はずっと不思議に思っていたことがある。
矢央を呼んだ本人が、何故矢央を新選組から遠ざけようとしていたのか。
お華なら矢央の居場所も最初から分かっていただろうに、何故それを知らせず、矢央の立場が悪くなったタイミングで新選組の前に現れたのか。
「長州と連んでるって言ったのも、矢央を帰って来させないためだったんだな」
「……同じ顔なら、私でもいいじゃないですか。 本当なら、私だったっ」
「それは違うだろう。 見た目は同じでも、生きた時代も考え方も、見えるもの見ているもの全てが違う」
永倉と斉藤は、既に矢央を受け入れている。
それがまた、お華を煽った。
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