――――そして数刻後、古高は全てを自白した。


鬼と死への恐怖は、古高の思いも寄らない自白をさせたのだったが、土方は冷や汗を流した。


ツーッと顎に伝う汗を拭い、ゴクンと喉を鳴らした。


「……チッ! とんでもねぇ計画をたてやがって」


気絶した古高を見下ろして、土方は呟くと後を隊士に任せ蔵を出る。


最初に向かったのは、勿論、新選組局長・近藤勇の部屋である。


「近藤さん話がある―――」

















元治元年(1864)、六月五日。

新選組にとって、長く冷たい夜が始まる―――……


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