「よお決心してくれた! 矢央、おまんはこれから、わしらの仲間入りぜよ!」


「いたっ! 痛いって坂本さんっ」


帰宅した矢央は、坂本にこう言った。



「やっぱり、もう人が死ぬのは見たくない」


大切な人達が、関わりを持ってしまった人達が死にゆくのを見るのは辛い。

どんなに心を強く保とうとしても、きっとまた傷つくだろう。

弱い己を受け入れるしかないと矢央は思った。


「時代が変わる……。 それは、これから沢山の人の血が流れるってことだってわかってます。だけど、そんなのもう見てられない……」


涙を流す矢央を坂本は、ただ無言のまま見つめていた。

その隣では、以蔵が不安そうに二人に視線を送る。


グッと袖で涙を拭った。


「戦に出ないことを約束してくれるなら、私は坂本さんに着いていきます」


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