斎藤と山崎は、頷いた。


「んで、俺に何をしろって?」

「我々の中では、永倉さんに一番心を開いている見ていますよって。 このこと、間島に伝えてほしい。間島との接触は、我々が援護します」

「……わかった」

「日取りは、決まり次第伝える」

「ああ」


簡潔に話し終えると、山崎はすぐさま姿を消した。


さすがだな、と感心している永倉の横を斎藤が音を消し通り過ぎる。


「これが本当に最後でしょう。 この機を逃せば、もう庇いたてできますまい」

「斎藤よ、お前はどっちの味方なんだぁ?」

「俺は……いつでも、新選組の味方です」

「はは、そうかい」


小さく微笑んだ永倉は、人の気配の無くなった広間に大の字になって寝転んだ。


これが最後の機会。


(矢央。 お前はどうするつもりなんだ……)



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