空を見上げれば、真っ赤に染まる夕日があった。


黄昏に心休めし時、騒ぎは起こった。



「新八が襲われただとッ!?」

「うん。 あ、もちろん怪我はしてないよ。 だけど、油断していて逃がしてしまったらしくてさ」

「んだとぉっ! なにやってんだ、あのバカたれわっ!!」

「 一応目星をついてるし、それについて今近藤さん達と話てるけどね」



夕餉時刻になっても、近藤、土方、永倉は姿を見せなかった。

その訳を藤堂が持ち帰って来たのだが、藤堂の話によると永倉と永倉と共にいた中村金吾という隊士が襲われた。


しかもその犯人は以前から長州の間者と疑われていた者によるものだった。


永倉程の剣の使い手に、奇襲をしかけるのも無謀といえようが、そんな無謀を働かざる得ない状況に長州はあるのかと考えた。


そして、間者と疑わしき者をどうするか幹部が集められ話し合いが行われた。



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