「どういう意味ですか?」
「いやいや、俺も十分罪におけねぇ男だかな? 矢央も、それなりにな?」
吊り目を細め、藤堂を見る永倉。
藤堂は、一瞬で顔を赤く染めた。
「新八さんっ! 変なこと言うなっ!」
酔っ払いにこれ以上余計な事を言われては堪らない、藤堂は二人の背中を押し「早く帰るよっ」と叫んだ。
「ガハハハッ! すまねぇな〜邪魔しちまってよ!」
「してない!してない!」
「若いってい〜もんだぁねぇ」
「うっさい!」
屯所に向かい歩き出した三人の背中を見て、矢央だけは腑に落ちない。
平助さんの「す」の続きも分からないし、永倉さんの言った意味も分からないし……なんなのよ。
プクッと頬を膨らませたのはほんの束の間、直ぐに言い合う男達を見てクスッと笑みを浮かべた。
「ま、いっか」
穏やかな一日が過ぎていく。
だがしかし、新撰組となった矢央達に休まる日は長くは与えてもらえなかった――――。
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