駆け抜けた少女【完】


どうしてこんな事が許される?
どんな悪等だとしても人の子なのだ。

大切な一つの命を「邪魔者」だからと殺していいはずなどない。と、矢央には到底理解不能な出来事である。


原田は、深い息を吐いた。


「どうして此処にいるんだっ」

「……今はそれより、あちらが気になる」

「そういや、やけに静かすぎるな」


原田と山南は、芹沢が寝ているであろう部屋の方を振り返る。

雨は益々強さを増した。

そのせいで音が消されているのだろうか。



ガッと土を蹴る音がしたと同時に、原田の横をまたしても小さな影が通り抜ける。


「バッ…! またかよっ、チクショッ!」


芹沢暗殺自体を邪魔立てするつもりか、と内心二人は焦った。

可愛がっていた妹分に怪我を負わせたくない。


だが邪魔をするならば、と何が起きても仕方ないという嫌な考えすら頭を過ぎる。



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