矢央は八木邸へと駆けて行った。

その脳裏には永倉の必死の制止は届かなかった。




「永倉さん……どうか、あの人を守ってあげて下さい」


――――ハッ!


永倉は声の方へと振り返った。

「……お華…お前は一体…」


唖然と見開かれた双眸に映るお華の姿に懐かしさが蘇る。


が、それと同時に恐怖が襲いかかる。



「お前は…死んだはずだ」


お華は、ただ微笑むだけだった。

その笑みはどこか悲しげだった。



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