駆け抜けた少女【完】


「……ふうん。 藤堂さん、人気者なんですねー」


「いや、だから……それは……」

「おう! 平助は人気者だぞ!」

「…ちょっと、あんた黙っててくんない?」


ギラリと眼を光らせた藤堂。

最年少の割に怖いもの知らずの藤堂は、年上の原田にも口が悪い。


矢央の前では優しいお兄さんを演じているところも腹黒い。


「平助は、お前に酌してほしんだとよ」

「へ?」


今にも原田をヤりかねない藤堂を抑えるために、永倉は酒を矢央の手に持たせた。


ジッと、それを見つめる矢央。

「新八さんまで、人をからかうなよっ!」

「事実だろうが! ああ?」


機嫌があまりよくない永倉に凄まれ、藤堂はウッと大人しくなる。

ストンと席に着くと、横から白い手が伸びてきた。

なんだ(?)と確認すると、唇を尖らせながらもお酌しようとする矢央が視界に入り


真っ赤になりながらも、お猪口を手に取った藤堂は嬉しそうに笑った。



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