近藤が日々の労いだと開く宴会は、大きな事柄を隠すためのただの目くらましだ。
それが何かくらい、最近の近藤達の様子を見ていればわかる。
芹沢一派を一掃すること。
理由も把握していた。
芹沢一派は、やりすぎたのだ。
暴れすぎたせいで、会津の怒りを買ってしまった。
京都を守り警護する任に就かされた壬生浪士組が、京の町を脅かすわけにはいかないのはわかっていた。
だがしかし、永倉は納得できないものがあった。
壬生浪士組が此処までこれたのは芹沢が働きかけたおかけだし、会津藩預かりとなっても貧乏まっしぐらだった壬生浪士組の暮らしを、半ば強引といえど多少の潤いを与えてくれたのも芹沢ではないか、と。
確かに、やり方は非道だろう。
芹沢が一度暴れると手がつけられず、永倉も対応に困ったことは幾度とあった。
だがそれでも……と、納得がいかない。
「…あの、永倉さん」
「ん? ああ……なんだ?」
藤堂が道場に行くと聞いていた永倉は、土方と別れた後、矢央を連れて道場へ向かっていた。
硬い表情で前を歩いていた永倉に、矢央はおずおずと声をかけた。
それにより、考え事から矢央へと注意が向く。
「えっと…その…ごめんなさいっ!!」
突然、上半身を曲げ謝られても意味が分からず「は?」と間抜けな息が漏れた。
目立つ黄金色の髪がサラッと揺れて、持ち上がった顔に浮かぶ表情は浮かない。
「私…どうしてもみんなの役に立ちたくて。 そればかり考えて、心配してくれる人達の気持ちに気付かなくて……それで…」
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