それと同時に、お華もスーッと立ち上がりクスッと笑った。



花が舞うような可憐な姿の中に、恐怖を纏う天女といった雰囲気だ。



怖い、怖い、怖い!


「あなたはね、此処にいなきゃ生きていけないの。
この時代で生き抜く術を知らない赤子も同然のあなたは、彼らに守られなきゃ生きていけない。だからお願いしているの、彼らに守られている間は、あなたも彼らを守ってほしいと――…」

「あんたに言われなくたって、私だって彼らに感謝してるから、出来る限りでの恩返しはするわよっ!
でも、あんたの言いなりになんてならないから」


お華は、沖田達を本当に愛しているんだろう。

だからこそ、何を犠牲にしてでも彼らを守りたいと強く願っている。


その気持ちは、矢央にだって伝わっている。


が、どうしても、今一つ納得がいかないのも事実だった。



「未来を知らないあなただけじゃ、彼らと共に過ごす未来は来ない。 私の力がなければ、いづれにせよ、あなたに未来はない」


「だったら、私自身で道をひらいて行くまでよっ!」


根っからの真っ直ぐさが矢央の弱みでもあり、そして強さでもあった。


お華は、どう受け止めたのか。


.