エーンっと泣き真似をして見せる藤堂に泣きつかれた原田は、藤堂の背後に立った気配にギクリと体を強張せる。 「バッ…平助っ後ろ後ろ!」 「へ? 後ろ………げっ!?」 ポキポキと握った拳を唸らせながら笑顔で藤堂を見下ろす矢央がいた。 そして、原田、藤堂は思う。 ここにも、鬼の子がいたと。 二人の頭に拳骨の瘤が出来たのは、それから数秒後の事だった―――――――