微かに震える両手をぐっと握りしめた。
その手に、触れることは出来ないのにお華はソッと自分の手を添えた。
「あなたが私に似ているのは、私の魂が混ざっているからです。 そして、あなたは比較的平和な時代に生まれたために、その力が発揮できなかった……。
だから、あなたの力を無理矢理起こした」
お華が語る真実は、矢央が神社でアルバイトをしだした時から始まった。
祖父が矢央を鍛えたのは、ただの偶然で、お華が実際に矢央を導いたのは神社からが始まりだと。
「無くなりつつある力を使って、御神木に魂を移し、あなたを赤石に触れさせた。
私の力の大半が籠もる赤石に触れたことで、あなたの眠っていた力が目覚め、そして私はあなたと共にこの時代に帰って来たの」
神社での強風も、桜の導きも全てがお華の力だった。
そして、その時に力を使い果たしてしまったお華は赤石の中で眠り、力が戻るまでは夢の中で矢央に語りかけていたのだ。
「あなたは、癒やしの力を持っていたから私自身も癒やされた。 本来なら、あなたを呼ぶだけで私は魂自体消え去っていたはずなのに……。
こうして、姿だけは見せれるほどにまで回復したの」
「そんなことって……」
自分が今見て聞いていることが、まだ受け入れることが出来ない。
今まで普通の女子高生だったのだから仕方ない。
「漫画の世界じゃん……。
でも、私を呼んだからってどうなるの?」
矢央はこの時代の人でもなければ、近藤達と直接関わってもいなかった。
お華は一か八かの賭みたいに、矢央をタイムスリップさせたなら、矢央が彼らに出会ったのも偶然にすぎないのでは?
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