―――――ゾクッ。


嫌な事は続くのだろうか。


矢央は、背後から何とも言えない気配に身震いする。


畳みかけの洗濯物が、バサリと膝の上に落ちた。



その異様な存在は、音もなくスーッと近づいてくるのがわかった。



――――ゴクンッ


「あなたは、みんなが好きなのね?」

「……………」


聞き覚えのある凛と澄んだ声色。


金縛りにあったわけでもないのに、背後を振り向けないのは、その正体が本来なら此処に存在していてはおかしなものだからだろう。



……お華さん……。




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