「追放か……。 そんなに悪い事をしようとしたのかな?」


洗濯物を畳みながら、土方等が話していた難しい会話を頭で考えてみるが、


「う〜ん、この時代ってゴチャゴチャしてるし言葉が難しいから、ちゃんと聞いてもわかんないや」


結果、数秒で考えるのを止めてしまう。


ただわかるのは壬生浪士組にとって、とても大事な仕事だろうということだけだ。



壬生浪士組も警護に参加することになり、興奮気味に出向いて行った。


原田にいたっては、鼻息荒くドカドカと隊士達と連れて行こうとし、土方に「局長より先に行く奴があるか!」と叱られていたほどだ。



普段なら、そんなみんなの掛け合いを見て微笑ましくなるのに、何故か気持ちが晴れなかった。



「怪我…しなきゃいいけど」


矢央にとっては、国や政治などどうだっていい。

争いなんて、ただ人を傷つけるだけの行為自体が嫌なのだ。


みんなが平和で無事に暮らせたら、それが一番良いのにと思いながら、薄々はわかっている。


幕末という時代、そう簡単にはいかないということくらい――――――



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