「や、矢央ちゃん?」
俯いた矢央を気にかけ、背中をさすってやる。
ブツブツと何か呟く矢央に「また壊れた」と、頭を抱えたのは藤堂で。
原田から解放された永倉が、後ろ手をつきながら呆れて言う。
「ばーか。 幽霊なんているわけねぇだろ」
「おっ、なにかっ! その言い方は俺の体験談を嘘と思ってんなっ!?」
「あー、はいはい。 お願いだから、もう口に拳突っ込まないでくれよ。 それは、近藤さんの宴会芸だから」
同じ手は喰らわないと、原田の顔を掌で制する。
「そうかな? 私は、いてもおかしくないと思うんだけどね」
「おいおい……源さん、よしてくれよ」
これ以上、原田にしろ矢央にしろ煽るような言葉を言うのは止してほしいと微笑した、
その時だった―――………
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