そして、白い布の下から顔を見せたのは原田だった。
ニンマリと、してやったり感を込めた笑いで。
「驚いたか!?」
「……っ、何するんですかっ!」
正気を取り戻し、顔を真っ赤にして怒り出した矢央。
その姿に原田は満足する。
「怒っても痛くも痒くもねぇぞ!」
「なにをっ!? な、何かあったのかもって心配したじゃないですか!」
いつもと違った様子に緊張しながら戸を開けたのだ。
だが開けてみれば、皆に笑われる結果に。
「まあまあ。 原田君、だから私は止したまえと言ったのに…」
ふうふうっと、鼻息荒く今にも原田に飛びかかろうとする矢央を制する井上。
原田は今朝の門番達の幽霊騒動を聞いて、これは使えると閃いた。
暫く元気のない矢央は、笑いもせず泣きもせず怒りもしない。
どんな感情でもいい。
驚かせることによって、矢央に感情が出ればと思いとった悪戯だったのだが、井上は少女を怖がらせるというのはどうだと、一応は反対した。
しかし、原田と藤堂、そして永倉といった悪戯が大好きな三人に上手く丸め込まれた落ちだ。
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