矢央を呼びに来たはずの隊士は、大慌てで現場へ舞い戻ってきた。


隊士は沖田にかけより告げた。


「矢央さんが、いない?」


おかしい。

一人では外出が禁じられているはずの矢央は、今は必ず屯所にいなければならないのに。



土方の隣に音もなく立ち、予想しなかった事情を伝えた。


「は? いないわけねぇだろ」

「しかし、何処を捜しても見当たらなかったようで。 一応、もう一度捜してくるように言いましたが」


沖田も土方同様、相当動揺していた。


また、厄介なことがおこるのではないかと――――




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