矢央は、深呼吸しざわつく気持ちを抑える。


「矢央君、悪かったっ」


矢央が自ら近藤の部屋にやって来て、捜していた沖田らも集まってきた。


そして、皆が席につくと、近藤が頭を下げたので、土方は目をひんむいている。


「こっ、近藤さん!?」


局長が、たかが少女一人に頭を下げるなんて……

しかし、近藤には申し訳なく思い気持ちの現れにすぎない。


「君の信頼を裏切るような言い方をしてしまった。 だが、わかってほしい、我々は君の安全を思ってだね…」

「私、信用ないですか?」

「否、そんなことはないぞ」


俯いたままの矢央に、いたたまれなくなる。

藤堂はそんな矢央を見て、己の不甲斐なさに奥歯を噛み締めた。


「行き場のない私の面倒をみてくれる近藤さんを、私は絶対に裏切らないです」

「矢央君っ!」


感動に目を潤ませる近藤をよそに、矢央は相変わらず俯いたまま話を続ける。


わかってもらいたいからーーーーーー



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