真っ暗闇に、ポツリと浮かぶ光の筋。


その中に、少女がうずくまっていた。



 痛い、痛い。

 苦しい。

 悲しい。

 辛い。

 寂しい。



ガタガタと震える少女は、ただただ願っていた。


 戻して!

 帰して!

 返して!


少女は、少女に訴えた。


すると、声が聞こえ、顔を上げたのは……


矢央。



『どうして、守ってくれないの?』


「――――え?」



キョロキョロと見回しても、見えるのは闇ばかり。


どうやら、声は心に直接話しかけている。



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