一度ぐるっと広間を見回した。
スーッと息を吐き――――
「ご紹介頂きました、間島矢央と申します。 ふつつか者ですが、しっかりお役目を果たせるよう頑張りますので、宜しくお願い致します」
背筋をピシッと伸ばし言い終わると静かに頭を下げた。
普段のお転婆な矢央ばかりを見てきた面々は、その姿に驚くもの土肝を抜かれるものと様々な反応を示す。
顔を上げ、もう一度広間を見回していたら「さあ! 宴だ! 飲め飲め!」と隊士達に声をかける。
すると「わあ!!」と、一斉に盛り上がった隊士達は直ぐ様、矢央を取り囲んだ。
「お前、幾つだ?」
「あの芹沢先生に気に入られたとは、やるな!」
「酒は飲めるのか?」
などと、次々に質問攻めに合い矢央は再び目を回す思いを味わう。
一人一人の質問をしっかり聞き律儀に答えようとする矢央の姿を見て、近藤一派は苦笑い。
「ありゃ、気の毒だな」
と、笑ったのは原田。
それに対し、永倉は
「皆、女に飢えてんのかねぇ」
と、酒を飲みながらケラケラ笑う。
「いやしかし、矢央君は色恋沙汰の対象というより―……」
井上がオロオロとしている矢央を見ながら呟くと……
「「「猫や犬(っコロ)を愛でる感じ(だな)」」」
井上、永倉、原田の声が揃う。
顔を見合わせた三人は、微笑ましそうに矢央を眺めながら酒をあおっていた。
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