「天凪っ」

「とりあえず、家に帰ろう。伊織さんも」


お母様とお父様もいて、警察の人もいて、皆に囲まれて私の家まで車で帰ってきた。


「犯人は取り逃がしてしまいましたが、無事で何よりです。また何かあったらご報告します」

家について、私たちの前で敬礼する刑事さん。

「ありがとうございました。お仕事頑張ってください」

だから‘咲煌寺天凪’としてしっかり挨拶しておいた。



「天凪」

リビングで異様に心配してくる両親。

「お父様達、明日はお仕事でしょう。そんなに心配しなくても私なら平気よ」

「そうか?」

「でも……」

「紘翔も伊織もいるから大丈夫」

私がそう言ったら二人は躊躇いがちに帰ってった。