「伊織、バレても知らないからっ」

拗ねた素振りをして、伊織から顔をそむける。


「ごめんごめんっ。あと…」

伊織はいったんそこで言葉を切って近づいて来た。

「心配してくれてありがと」

「なっ……」

伊織は私の頭をポン、と軽くたたく。


「にしても…、交流会とかホント面倒」

「同感」

伊織と私は、会話を続けながら窓側のソファに腰掛ける。

伊織が来たときはほとんどここに座る。


「誰よ、こんな行事考えた奴」

伊織は窓の外に目をやった。


まぁ、私もそう思うけど。