焦ってた……?

あぁ…そっか……

世間的に注目されるしね、私がなんかしたら翼牙崎家にも迷惑かかるし。

「ふーん」

身代金だすのかな。

紘翔は気付いてんのかな、私がいないこと。

それとも、またその辺の女の子たちと遊んでて気付いてない?

咲煌寺家からそのうち話は回ると思うけど。

「ま、とりあえず身代金がくるまでお前にはここで生活してもらうからな」

「分かってる」

「なんかあったら外の奴らに声かけろ。誰かは見張りに立ってる」

クロとそのほかにいた何人かの男達は全員部屋から出て行った。

……?

部屋を見回したら、テーブルにソファ、ひとつのベッドにそのほかにも生活に必要なものがいろいろあった。

あんまり使ってなさそうな綺麗な部屋。

まさかと思ってこの部屋にあるドアを見て回った。