無駄にでかい家の、無駄に装飾のついたドアの鍵を開けて中に入る。


鍵っていっても、指紋認証、もちろんオートロック。

家の中に入ったら、本当の私たちに戻る。


紘翔は無言で自室に戻る。


「疲れたぁ~」

「だね。私の部屋いこ」


その場で伸びをする伊織をつれて、自分の部屋に向かう。

何回か来ているだけあって、家の構造を知ってる伊織は私よりも先に部屋に入った。


私も自分の部屋に入って、

扉を閉めて鍵をかける。


「ねぇ、伊織」

「ん~?」

「今日、笑ったよね。学校で」

そう言う私はもちろん笑顔。


「そうだっけ?」

本当に忘れているのか、とぼけてるのか伊織は曖昧な返事をした。