「あら?お珍しい……。天凪様と紘翔様が別々に歩いていらっしゃるわ」

私の宣言通り、帰り道を別々に変えることにした。

て言っても、私が無理やりそうしただけなんだけど。

帰りの車は別に一台呼んだ。

紘翔が隣にいないのは慣れ過ぎたせいか変な感じがする。

……でもこれにも慣れないと。

偽りの関係が真実に変わっちゃう。

いつのまにか、私の中で二人でいるのが当たり前になってきてた。

こんなんじゃ、相手の弱みにつけ込むなんてできない。

………。

これでいいはずなのに、何でこのもやもやした気持ちは消えないの……?

私は…これでいいはずなのに……。

咲煌寺天凪はこう在らなきゃいけないはずなのに……。

なんでこんなに動揺してるの?

紘翔がそばにいないことが、そんなに不安?