紘翔の教室に着くころには大分人が減ってた。

大体はもう校舎の外にいるんだと思う。

私は紘翔の教室をのぞいて、息をのんだ。

5~6人の女子生徒に囲まれている紘翔の姿。

それだけなのに、胸が締め付けられたみたいになって、私はとっさに廊下の陰に隠れた。

……なんで?

別に、私が隠れる必要なんか無いのに。

紘翔はかっこいいし、学校では人もいい。

当然モテるし、女子に囲まれてるのも当然。

それくらい予想ついてたはずなのに……何で?

何で私隠れてるの?

なんでこんなに胸が痛いの?

この気持ちは……何?

隠れる必要ないってわかってるはずなのに。

教室の入り口から顔を出して「紘翔っ」って一言呼べばすむはずなのに……。

体が動かない。