私は気にしないけどね。


「どうでもいいけど、とりあえず天凪と一緒がいいわ」

後ろの席から小声で話しかけてくる伊織。

いかにもめんどくさい、というような口調で。


「伊織、ちゃんと話さないとバレるよ?」

私も小声で返す。


「天凪さん、どう思います?」

いきなり振られる質問。


「たまにはいいんじゃないかしら」

勿論笑顔で答える。


私が答えると再びざわつく教室。

「天凪様がそうおっしゃるなら…」

「咲煌寺さんがいいと言うなら…」


次々にあがる言葉。

咲煌寺の名前はそれなりの権力があるから。


私が笑顔で言った瞬間に、小さく笑った伊織。

後でしばいてやるんだから。


「納得してくれて良かったわ。日程や場所は、またお伝えします」