私たちが洞窟を出ようとしてることに気づいて、他のメンバーが慌てて追ってくる。

「ぅわっ!」

私たちのすぐ手前で、聡也が転んだ。

「たたっ…」

「大丈夫?」

私は紘翔から離れて手を差し出す。

「あっ…と、すみません」

聡也は私の手をとって立ち上がった。

「ありがとうございました」

「怪我をしてなくてよかったわ」

顔が赤くなる聡也。


でも、私は突然頭上から聞こえてきた音に気を取られた。


何かが風を切るような音。


洞窟をでて、頭上を見上げたのは私だけじゃなかった。


その場にいた全員が見上げた先には何台ものヘリコプター。