私たちはいかにもな洞窟に足を踏み入れる。

私はもちろん紘翔にくっついたまま。

思ってもいない癖に「怖いわ…」なんて言って紘翔にしがみつく。


「天凪ちゃん、大丈夫っすよ。皆いますし」

馴れ馴れしい男。ていうかチャラい男。

こういうのは…嫌い。

様付けよりはましだけど。

「ありがとう」


洞窟は薄暗くて、それでも、奥のほうが光ってる。

その光ってるあたりに、‘いかにも’な箱が置いてあった。

漫画とか、映画とかに出てくる宝箱。

「これね」

「これ…ですね」

もう、これしかないでしょう。