「あら。駄目よ?天凪は紘翔くんのものなんですもの」

ね?いきなりと同意を求めてくる伊織。

伊織…段々素に戻ってきてるよ…。

「えっ…と…、もの……?」

「美登原さん。あまり天凪を困らせないでください」

私を守るように肩を抱き寄せる紘翔。

こんな日が五日間続くなんて…考えられない…。

家での私たちを知ってるのは伊織だけ。

隠し通すのは結構辛い………

「……もう少しで着くようでございます」

「それは楽しみ、ね。天凪?」

伊織はやけに楽しそう。さっきまで嫌がってたくせに…。




飛行機から降りる生徒たち。私たちはほぼ一番に地上に降り立った。

「天凪」

差し出された紘翔の手をとる。


「キャー、天凪様と紘翔様がいらっしゃるわ!」

家柄の良し悪し関係なく。同じグループの人以外からも叫ばれる。