「咲煌寺様っ!どうぞ入ってください!!」

私が言ったとおり、私たちはお化け屋敷にいる。

金も結構かかってるし、校庭に建物から作られてるだけあって本格的。

目の前で頭を下げる少女……少年…………頭を下げる人もお化けの格好してる。

「ありがとう」

中は暗かった。

入った瞬間いろんな効果音とかが聞こえ始める。

………今更だけど……。

自分から言っといて何だけど……まさか雷の音とか鳴ったりしない…??

どこのお化け屋敷もってほどの効果音じゃないかもだけど…。

ここの見た目洋館だし………。

……ないよね。うん。そう願う。

とりあえず手は紘翔とつないでる。

別に私からってわけじゃない。

このほうが仲良さそうに見えるから。

お化け屋敷自体は別に怖くないし。

「天凪?怖くないか?」

「ええ。大丈夫よ」

気まずそうに脅かしてくるお化け役の生徒たちは別に怖くない。